第二章~文久3年 1863年~

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「はい、ここは壬生浪士組の屯所ですよ。」 私をジーッと見ていた人は、何食わぬ顔でケロッと答えた。 壬生‥‥浪士組?って確か... 冷や汗ダラダラ。 ま、まさか。そんな、漫画とかじゃあるまいし...? きっとふざけているのだろう、この人達は。 私を混乱させようとしているんだ。 Sなんだなぁ、見掛けによらず☆ うん!そうだ!!きっとそうだ!!! 「あはは!なーにをそんな...ねぇ?うふふ」 2人の目を噛みつくように見た。 嘘を付いている人は目を泳がし相手と視線を合わさないって、なんかの刑事ドラマで刑事役の人が言ってたからだ。 が、どうしても嘘を付いているようには見えない。 ……だとすると、本当に真面目にタイムスリップ...なんてしちゃったのだろうか? 不安の波が押し寄せる。 「西暦!!今は西暦何年ですか?!!」 手に汗握るように願った。 そうではないように...! 「あははっ!変な事を聴く人ですね? 今は西暦1863年ですよ。ちなみに文久3年です。」 血の気が引いていくのが分かる。 納得が...どうしても納得がいかない!! ふらつく足でなんとか立ち上がり、肩の痛みと2人の制止をなんとか振り切り外に出ようと障子に手を掛けようとした時。 首に冷たく固い感触がした。 「お前、長州の輩なのか?」
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