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「半日も雅人に触れてなかったから充電。それに……今日はクリスマスだろ?」
欲情しているときの熱っぽさを孕んでいる俊弥の声に息が詰まる。
「後でじっくり可愛がってやる」
耳にキスを落とされ、甘い吐息が漏れる。
「だから、そんな物欲しそうな顔をしても駄目。御飯を食べなくちゃならないだろ?」
「なっ、物欲しそうな顔なんかしてねぇよ!」
と、口では言ったが実際は下半身にぐずぐずと溜まる甘い熱をどうにかしたくてたまらず、中途半端に昂ぶらされた身体は抑えることを知らない。
俊弥が席についてしまったのを見て、雅人は仕方なく二人分の皿を持ってダイニングに入った。
「雅人、メリークリスマス」
「……メリークリスマス」
俊弥と雅人はワインの入ったグラスを少しだけ上げ、口をつけた。
「雅人」
「何?」
「ミートソースついてる」
身を乗りだし、雅人の口元をペロリと舐めれば、咀嚼していた口が止まりトマトのように顔が赤くなった。
「は、恥ずかしいヤツ……」
「今更だろ?」
微笑しながら、優雅にワインを飲み下す俊弥を睨み付け、雅人はフォークを置いた。
「……っ、俊弥ぁ……もう俺、無理」
「そうだな、俺も我慢してたけど……限界」
食べかけのパスタをテーブルの上に放置したままソファーに傾れ込んだ。
普段ならシャワーを浴びてからだが今の二人にそんな余裕など微塵もない。
「今日はクリスマスだから、たっぷり可愛がってくれんだろ?」
俊弥の頬を両手で挟み、妖艶に微笑む。
「っ、明日立てなくなっても知らねぇぞ。雅人が誘ったんだからな」
「そん時は看病してくれよ」
返事の代わりに極上のキスが落ちてきた。
フレンチレストランで豪華なクリスマスも憧れるけれど、こうやって二人で過ごせる事が一番嬉しい。
来年も、その次も俊弥と一緒に過ごしていきたい。そう思った――。
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