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先生は遠くにいて、僕の方に向かって来る。
僕の手には仕上げ途中の、まだ真っ二つになっていない綺麗なままのカード。
―――戻っていた。
願った通り、時間が少し前に戻っていたのだ。
信じられなかった。
だが、先生がどんどん近づいて来る。
僕はハサミを机の上に置いて、先生とぶつからないようによけた。
それからも、周りの皆はなんにもなかったように過ごしていた。
みんなは時間が戻ったことに気がつかないんだ。
僕は開いた口がふさがらなかった。
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