プロローグ 人物紹介

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 漆黒の闇に染まる空の中を二機のF-15Jが駆け上がる。森本二尉と、僚機の山中三尉である。彼らのペアは“JE-06”フライトチームと名付けられている。  基地の地上要撃管制官の声が二人の無線に入る。「120」と番号が付けられた国籍不明機の位置、速度などが伝えられた。 それとほぼ同時にレーダーサイトから、ロシア語、中国語、朝鮮語で 「不明機に告ぐ、そちらは日本国領空に接近している。直ちに引き返しなさい。」 と通告がなされた。 「アンノウン(不明機)の針路に変化はないか?」 中岡健太先任管制官が、隣にいる西山さき二等空曹に尋ねた。 「特に変化ありません。」 「JE-06フライトの接敵時間は?」 「約二分後です。」 時は刻一刻と迫っていた。
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