寿命

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「それで…俺の寿命が10ヶ月で?それをわざわざ教えるためだけに来たのか?」 涙を流しながら質問する累人。 「いや…教えに来たっていうのは間違いじゃないんだが… 俺はお前がこの世に存在したときからずっと今までお前を見てきた。正直他の人間ども…ゴミみたいなやつが好きにやってる中お前はホントに真面目に生きてきた。 そんなやつが寿命残り少しって知ってよ、お前が死ぬ前に何かしてやりたいって思ったんだよ。死神だけど。」 グリンは累人の目を真っすぐ見て、話を続ける。 「お前の寿命は俺にはもうどうしようもない。けど、残りの人生を少しでも楽しくする手伝いならしてやれる。死神だけど。」 「…手伝い…?」 累人は涙で視界がぼやけていたが、予想外の死神の答えに涙を拭うことさえ忘れていた。 死神が自分のためを思ってここまで来たという事実はとても嬉しいものだった。 グリンは累人に言った。 「俺の力の届く範囲で願いを3つ、何でも叶えてやる。」
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