エピローグ

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「Set!!…Down Hat!!」 コールと同時にセンターがボールをスナップする。 バン!!という音がしてクォーターバック(投げ手)が受け取ったボールを持ちながら下がる。 このプレーはロングパス。 パスを通すためには全員の力が必要だ。 1人でもミスをすればパスは通らない。 ボールをキャッチするポイントへとレシーバー(捕り手)が全力でフィールドを走る。 QB(クォーターバック)を守るため、ライン(守り手)は全力でパスプロする。 背番号52番、宮崎累人は5人並ぶラインの1番左でヒーヒー言っている。 しかし、敵は1人も漏れてこない。 敵のプレッシャー無しでQBはあらかじめ決められていたポイントへとボールを投げる。 レシーバーはボールをキャッチし、エンドゾーンへ駆け込んだ。 「タッチダーゥン!!」 審判の声が響く。 この瞬間、宮崎累人は初めて出たアメフトの試合で初勝利を飾ったのだった。 練習試合だけど。
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