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放課後
受験を控えたあたしは勉強をするために学校に残っている。
あたしの好きな人は気まぐれな人やから残ったり残らんかったり。
今日は残るみたい。
最近この人は残ってへんかったから、いられると距離がそんなに近いわけじゃないけど、視界に入って緊張する。
ただ、視界に入るだけなのに。
2人きりというわけでもないのに。
ある瞬間、彼はあたしの方を向いた。
あたしを見たんじゃない。
あたしの後ろにある時計を見ようとしているだけ。
やけど、それだけで馬鹿みたいに緊張してる。
彼は必死に時間を見ようとするけど目がよくないのとその時計が窓の外にあるもんやから全然見えへんみたい。
「時間?」
「あ、え?」
「あ、時計?」
「うん。」
「5時やで」
「…ありがとう。」
暫くはこの関係でいっか。
END
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