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「……この依頼主はいつも最初から報酬を渡してくるな」
「それだけおまえを信頼しているんだよ。何か飲むか?」
「ウイスキー」
「あいよ」
マスターは棚にあるウイスキーを出すと、グラスにウイスキーを注いでアレインの前に差し出す。
アレインは「ありがとう」と言った後にグラスに口をつけた。
「…マスター、今日は姫のための式典があるのか?」
「おいおい、町中をあるいて来たならわかるだろ?」
「まぁな……にしてもこのアラフィーレは平和な場所だな…」
「まあこの国は特に平和だからな。」
苦笑いしながら肩を竦めた。
「……で、まさかまた依頼あるのか?」
この店は酒場であると同時に傭兵の仕事の請負場。
アレインはここから依頼を受けて今暮らしをしている。
「ああ、最近お前さんがかなり依頼を受けるようになってから、お前を名指し指定で依頼がたくさん来るようになった」
「……あいつら最近成長期だからな。金がいる。」
「ハハハ!まったく、お前も人が良いな」
「……また、来る。」
「あぁ、また来いよ」
アレインはウイスキーを飲み干した後、席から立ち上がり店を後にした。
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