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ぼこ
延々と彼女は
裏返しの靴下を元に戻す仕事をしている
「穴の空いたものを見つけた時の悲しさったらないわ」
そう言って遠い空に視線を飛ばす
その間も両手は休むことなく動き続ける
わたし実は(もうずっと)靴下の穴を塞ぐ仕事をしているんです(多分これからも)
(玉結びは高校生の時から
上達していないのだけれど)
わたしたち友達になりませんか、って言おうとしたけれど
どうしても言えなくて
下を向いて口をつぐんだ
(これが終わったら、きっと)
(彼女の視線の先へ)
(でも、永遠に終わらないって(本当は)気づいてる)
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