帰り道

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帰り道

伸びていく影が帰りたがらない 切り取った色紙 あの日の空によく似てる からんころん 寂れた空き缶が思い出を引き連れて 私を余計に焦がすのです そんなに袖を引っ張らないで 柱の釘が邪魔をして 私を余計に急かすのです 蜃気楼の水たまりへ 空き缶うんと蹴り上げて 雲と共に隠します 千切った色紙紙吹雪 手を振る 何度も 後ろ手に またおいで またおいで  
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