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虚しさと残像を 何度もリプレイしては 涙が出る事を 一人静かに確認する その食塩水では とても海を 想像出来ないから 駆け出したくなる 右目から一枚 剥がれ落ちた 半分ぼやけて 霞んで消えた 正確さも距離も これでもう 君の横顔を 見なくて済む 曖昧にすればいいよ 空と海の境目も 君と僕の境目も 曖昧に舞えばいいよ 紙屑みたいに あの鳥みたいに 剥がれ落ちた 鱗だと思った ただの使い慣れた コンタクトレンズだったんだけれど 鱗だと思った そう思ったんだ それは 海に還りたい理由には ならないだろうか  
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