NO.1

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「先に向こうにジュエリーと、ここの荷物だけ持って行ってくるわ」 大きな紙袋に山盛り入った荷物と箱に詰めたジュエリーとを抱えて会社を出た。 「はぁ~大きな仕事の前は毎回段取りを狂わせてくれる事が必ず起こる」 「わざと?」 ロングのコートを羽織りヒールの音をカツカツ鳴らして、ブツクサ言いながら大股で歩いてる自分の姿を駐車場のガラスが映し出した。 『色気ないな・・・』 後3日で39歳になるんだけど 毎年何も変わらない。 車のトランクに大量の荷物を入れ出版社に向かった。 「道も人も多いな」 街中は12月のクリスマスを前に何かしらざわめいてる。 出版社の前に車を止めて荷物を運び出した。 「あっ  スイマセン」 たかが車から建物までの歩道を横切るだけなのに、人にぶつかりそうになった
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