~星雪の空~

3/7

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
呟くように言った俺の一言を、隣に座っていた翼は聞き逃さなかった。 「匡佑、遠慮ばっかしてると他の男に奪われるぞ。」 それを聞いて、翼に視線を移した。 「だってあいつさ、モテてなかったわけじゃねーじゃん。」 言われてみれば、コクられたって何回か麗から聞いたことがあった。 「でも俺、電話とかしたらぜってー会いたくなるし…。」 俺が理由を話すと、修也は呆れたように言った。 「そんなの当たり前だろ。好きなんだから。 まあ、奪われてもいいってなら話は別だけどね。」 「そんなわけないだろ!」 中学の頃からずっと好きで、高校に入ってやっと付き合えたんだ。 このまま終わるのだけは絶対に嫌だ。 「つーか、祥太! お前さっきから食ってばっかじゃねーか! 少しゃあ話題について来いよ!!」 「元は取っておきたいから、後でな。」 修也に言われて、一旦食べるのを止めた祥太だったが、すぐに再開した。 まあ、いつものことなんだが…。 だからマッチョなんだよな。 そんなやり取りをしているうちに、周りにカップルが増えてきた。 「ここカップルばっかで居づらくない?? どっか別のとこ行こうよ。」 全員修也の意見に賛成した。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加