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呟くように言った俺の一言を、隣に座っていた翼は聞き逃さなかった。
「匡佑、遠慮ばっかしてると他の男に奪われるぞ。」
それを聞いて、翼に視線を移した。
「だってあいつさ、モテてなかったわけじゃねーじゃん。」
言われてみれば、コクられたって何回か麗から聞いたことがあった。
「でも俺、電話とかしたらぜってー会いたくなるし…。」
俺が理由を話すと、修也は呆れたように言った。
「そんなの当たり前だろ。好きなんだから。
まあ、奪われてもいいってなら話は別だけどね。」
「そんなわけないだろ!」
中学の頃からずっと好きで、高校に入ってやっと付き合えたんだ。
このまま終わるのだけは絶対に嫌だ。
「つーか、祥太!
お前さっきから食ってばっかじゃねーか!
少しゃあ話題について来いよ!!」
「元は取っておきたいから、後でな。」
修也に言われて、一旦食べるのを止めた祥太だったが、すぐに再開した。
まあ、いつものことなんだが…。
だからマッチョなんだよな。
そんなやり取りをしているうちに、周りにカップルが増えてきた。
「ここカップルばっかで居づらくない??
どっか別のとこ行こうよ。」
全員修也の意見に賛成した。
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