～雪恋～

～星雪の空～

俺のぎこちない挨拶に、電話の向こうで麗が笑っているのがわかる。

『元気だよ。匡佑は??』

「俺も元気。

…あのさ、俺、言いたいことあるんだ。」

一旦言葉を止めて、ゆっくりと深呼吸した。

「俺さ、麗が引っ越ししてから、電話しようかすっげぇ迷ったんだ。声聴いたらぜってー会いたくなるし。」

麗は『うん、うん』って言いながら聞いてくれている。

電話越しの麗の声は、優しく、暖かい。

「だけど、電話する勇気がなかったんだ。でも、今電話して良かったって思ってるよ。」

『私も…

電話するの怖かった。だからね、匡佑が電話してくれて、すっごく嬉しいよ。』

嬉しさと寒さで声が震える。

ホントは今何してたとか、新しい学校はどうだとか、聞きたいことは、たくさんあるはずなのに、今一番聞きたいのは、この空を見て思ったこと。

「なぁ、麗――…。」

羽のような雪と、雫のような星。

俺たちにはきっと、同じ空が見えてるんだよな。

それだけで、君との繋がりを感じるられる気がするんだ――…。