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アルギスの機体に向かってくる9番隊の魔導機。その魔導機の姿を見てアルギスは笑みを浮かべる。
「来た来た、新人が釣れたぜ」
「11番隊とはいえ同じ魔導士、勝てない道理は無い!」
アルギスの機体に接近した9番隊の魔導機が飛び上がり、アルギスの機体へと剣を振り下ろした。
それを後ろに跳び退き、間合いを空ける事で避ける。
そのままアルギスは腰に装着していた短銃二丁を9番隊の魔導機に向けた。
しかし引き金は引かない。
9番隊の魔導機がアルギスと同じタイミングで、アルギスの方向へと跳んで懐に入り込んでいたのだ。
「ロングレンジガンナーが剣も持たないから!」
横一線、9番隊の新人が剣を凪払った。
勝利を確信した。
剣から伝わる筈の衝撃を期待した。
魔導機同士の訓練の際、剣に張られる結界魔法。
それが魔導機とぶつかり、弾ける衝撃。
しかし、期待した衝撃は一向に伝わってこない。
アルギスが機体を屈み込ませ、後ろに下がりながら旋回。
横一線の斬撃を回避したのだ。
そしてアルギスは短銃二丁の照準を9番隊の魔導機の頭部と胸部に合わせ、引き金を引いた。
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