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突然の事だった。
荒れた岩地に一発の銃声が鳴り響いたのだ。
11番隊のレイカが空中に放った弾丸だったそれに気を取られ、銃声のした方向を警戒する。
9番隊の面々はそちらに盾を構え迎撃の体勢を取る。
しかし、そんな中でも1人、アルディだけは固まって盾を構えている3機を背にして反転。
魔導機を跳躍させるように走らせ、その場を離れた。
「アルディ! 持ち場を離れるな!」
「囲まれてると言った筈です」
次の瞬間、岩場の影から表れたのは魔導機の身の丈10m程の大剣を担いだ紺色の機体。
次に大型の槍と盾を構えた同じく紺色の機体。
そしてフェルドの土色の機体。
この3機が9番隊の3機を取り囲んだ。
「ちょっとぉレイカさん、段取りと違うじゃないですか」
大剣を担いだ機体の魔導士、ティエラ・メティオールはそう言うと担いでいた大剣を下ろし、地面に突き立てる。
「一機逃げたのを追ったのよ」
レイカに代わりティエラに応えたのは、セティ・ペネトレイト、槍と盾を構えたウルスラグナの魔導士だった。
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