11番隊

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「なんなんだよ、アレ、あんな武器、魔導機が振れるのかよ」 9番隊の魔導士の、先程相対した11番隊のティエラの魔導機に対した疑問だった。 魔導機の身の丈程もある大剣を軽々と片手で持ち上げていた。 魔導機の出力や馬力は、単純に搭乗した魔導士の魔力の密度と総量で決まる。 魔導機用の銃や剣は持ち上げ、使用するだけでもそれなりに体力を使う。 つまり武器が大きく、重い程魔力の消耗は激しくなる。 「そうだ、何も恐れる事は無い遠距離から攻めればやれる。 あの獲物のでかさだ、そう早くは動けない筈」 「ふふ、試してみる?」 突然魔導機の中に響いた女の声。 その聞き覚えの無い声に、11番隊の隊員であると判断した魔導士は、とっさに岩陰に身を隠す。 その岩陰から覗き込むと、先程の大剣を担いだ魔導機がこちらに歩いて来るのが見えた。 「女とはな、だが侮れん」 岩陰から盾と銃を構えたまま9番隊の魔導機が姿を表す。 その姿にティエラはニヤリと口角を吊り上げ笑った。
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