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ティエラは大剣を地面から抜くと、また肩に担ぎ直す。
その行動に9番隊の魔導士は反応し、盾を構える訳だが。
「さぁて、行っちゃうよ!」
肩に担いでいた大剣の切っ先を再び地に着ける、それを合図だとでも言うように、ティエラは機体を9番隊の魔導機に向け、走らせた。
走るティエラの後を、大剣が地面を抉りなが迫る。
「くそっ!」
9番隊の魔導士は魔鉱石に魔力を込め、魔導機が銃の引き金を引く。
しかし、重い大剣を引きずりながら走っている筈のティエラの機体は、迫る弾丸をモノともせず、大剣を盾のように構え、9番隊の魔導機へと近づく。
大剣の‘腹’はティエラの機体の半分以上を隠し、着色弾で染まっていくのは大剣のみ。
9番隊の魔導士はティエラ機との衝突に供え、身構えた。
「……?」
しかし、予想していた衝突は無かった。
ティエラは9番隊の魔導機の目前で機体を反転。
回転を利用し大剣で9番隊の魔導機の盾を凪払う。
そして、空いた左手に腰に装着していた銃を装備させると、がら空きになった9番隊の魔導機の胴体に着色弾を撃ち込んだ。
「はい終了、お疲れ様、9番隊の魔導士さん」
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