11番隊

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ティエラが9番隊の魔導機を倒し、合流ポイントへと向かっている頃。 大型の槍と盾を携えたセティの機体も、9番隊の魔導機を追い詰めていた。 「くっ、まるで城壁だな」 見るからに接近戦主体のセティの機体。 それから離れ、9番隊の魔導士は銃を放つも、体のほとんどが盾に覆われた機体には有効な一撃にならない。 そんな時、セティの機体にティエラの声が響いた。 『セティ、まだやってんの?』 「あら、先越されたわね」 『フェルドももう来てるよ?』 「分かったわ、直ぐ終わらせる」 『じゃ、後でねぇ』 ティエラの報告で、3機を追った中で自分が最後。 その事に焦った訳では無い。 ‘直ぐ終わらせる’自分の発言をセティは実行に移す。 盾は構えたまま槍を突き出し、9番隊の機体目掛け突進する。 迫る城壁に9番隊の機体が銃を放ちながら後退していく。 しかし、それも直ぐに終わる。 岩が9番隊の機体の行くてを阻んだのだ。 「しまった!」 このままでは確実に負ける。 そこで9番隊の魔導士が考えついたのは、ギリギリまで引きつけ、跳んで回避し、迫る槍を岩に咬ませるという、単純だが効果的な作戦だった。 そして、次の瞬間にはその作戦は実行される事になる。 「今!」 迫る槍の切っ先。 タイミングを合わせ、9番隊の魔導士は機体の膝を曲げ、跳躍の体勢に入った。
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