11番隊

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「私の槍からは逃げられない」 セティは言葉と同時に、コックピットの魔鉱石に魔力を込めた。 更に加速する機体、今にも跳ばんとする敵機。 「なんだ? 槍が」 そんな敵機、9番隊の魔導士からはセティの槍がどのように見えたのだろう。 機体にブレーキを掛ける為に踏み出した右足が大地を削る。 半身を捻るように右手の槍を突き出すセティ。 その槍の先端に亀裂が入った。 槍が半分位の長さから展開したのだ。 手。 9番隊の魔導士にはそう見えたに違いない。 4つに別れた槍の矛先が、9番隊の魔導機の後ろの岩を穿った。 タイミングを逃した魔導士に回避は間に合わず。肩越しに2本、脇に2本。 まるで磔刑の様に。 ‘槍’に捕まった。 逃げる事は出来ない。 口を開いた槍の中に銃口を見たからだった。 「実戦なら消し炭ね」 魔鉱石に魔力を込めるセティの表情は冷たかった。
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