第四章 街-Organization-

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テルルは面白い事を毎日探し求めている。 彼女は毎日に変化を求め自分の世界に毎日刺激を与えようと考えそれが面白い事に繋がると信じている。 今彼女は自分の関わっている出来事が自分にとって面白い事であることに気づいていた。 もちろんそれは決して顔には出さないが彼女はこの刺激を楽しんでいる。 自分の隣にいる2人の少女はテルルにとって最高の刺激であった。 そして今、テルルはさらなる刺激と遭遇した。 それは彼女にとって想定の範囲外でありその人物に会うだなんて全く考えていなかった。 テルル達が『ステンレス』に向かって歩いている途中。前方に見覚えのある人物が歩いているのに彼女は気づいた。 1人は自分と同じ日原の生徒でもう1人はどことなく見たことのあるシルエットの女性であった。 テルルは信号で止まった2人に近づきチラッと顔を覗き込んだ。 そして2人の正体を知り彼女の脳内はこんがらがり状況を理解出来なかった。 2人とも自分の知人であり2人とも今日中に1回会っている。しかもテルルにとって有り得ない組み合わせで2人はいたのだ。 1人は自分の家のお隣さんでもある水素。もう1人は自分の行き着けの中華料理店の看板娘であるランタンであった。  
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