終わりという始まり

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本当にゆっくりだった。 もう一人の俺の剣が俺の胸を貫通したのは。 俺はあまりの激痛に顔をしかめて膝をつき、俺の胸に突き刺さっている剣を見た。 剣は胸の間を突き抜けて背中から刀身が突き出ていた。 あぁ、もう終わったんだ・・・と俺は頭の中で呟いた。 絶望と終焉という文字がいつまでも頭の中に残っている。 もう一人の俺は不適な笑みを浮かべ、剣を引き抜いた。 ポッカリと開いた傷口から勢いよく血が吹き出し、辺りに血が飛び散った。 剣を抜かれたと同時に激痛が全身に走り、俺は目を見開いて空を仰いだまま後ろに倒れた。 もう一人の俺は剣に付いている血を舐めとり、俺にゆっくりと近づいてきた。 もう一人の俺は何かを言っているが、俺には聞こえていなかった。 視界はぼやけ始め、聴力も無くなった。 今俺の体を支配しているのは痛み。 もう一人の俺は俺を見下して何かを話している。 しかし、聞こえない・・・ 手の感覚も麻痺してき始めた。 剣を握る手にも力が入らない。 もう一人の俺が剣を握り直したのを何とか確認できた。
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