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「何の用、って……。これから帰るとこですけど?」
「おお、そうか……。んじゃ、気を付けて帰れよ?」
新井君がそう言うと、植木さんは満面の笑みを浮かべて返事をした。
「うんっ! じゃーねー♪」
植木さんが角を曲がるまで見送った後に、新井君は力なくその場に座り込んだ。
「あ~ビビった~……。心の準備が足らなくて渡せなかったな~」
そして、顔を少しだけ悲しげに歪ませて、呟く。
「今日渡せなきゃ、何の意味も無いのに……」
さて、今こそ私の出番ですかね。必ずや、その紙袋、渡させてあげましょう。
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