ハートの9

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 ★  ★  ★ 彼が待ち合わせに指定したところは、走って数分、歩けば10分弱といったところ。 私達が着いた頃には、植木さんは変な形のモニュメントの下にいました。 「よう、悪いな、待たせたみたいで」 「全然そんなことないよ。むしろ、私の方こそごめんね?」 「いいっていいって。それより、その……。財布の他に、もう一つ、いや、二つ、渡したいものがあるんだ」 「ん? 何を?」 新井君は、大きく深呼吸をして、あの紙袋を、前に突き出す。 「これ、誕生日プレゼント。それと!」
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