日常

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「ごきげんよう、バカ太。今日は雨に降られなかったのか?」 『真田大樹 (サナダ ダイキ)』はそう言うと、バカにしたような顔で見てくる。 真田はいわゆるガキ大将。 亮一への嫌がらせも、彼のは比べ物にならないくらい酷い。 さっきの集団はまだヘラヘラと笑っている。 『バカ太』 これが僕のあだ名。 「博多」という少し珍しい名字に「バカ」を組み合わせたようだ。 もちろん気に入ってはいない。 だが、反応しても火に油を注ぐだけだ。 そう思って無視しているうちにクラス内で定着したようだ。 そうこうしていると、ホームルームのチャイムがなった。 担任のハゲたおっさんが教室に入ってくる。
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