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「鬼男君、大好きだよ」
「僕もですよ」
僕はただの獄卒の鬼で
あなたは閻魔大王…
そんな身分の違いの中、
僕に拒否するという選択肢が
無いのを知っていて、
そんな言葉を囁くあなた
その言葉を囁かれる度、
僕はあなたに嘘をつくことになる…
「ねえ、鬼男君」
「何ですか?」
「下界で、嘘つくとどうなるって言われてるか知ってる?」
「え…閻魔様に舌を、抜かれるでしたっけ」
「そう」
「それがどうし…」
『閻魔大王ー、鬼男さーん、午後の部始めてよろしいですか?』
「…もう休憩終わりみたい」
「そうですね…」
「ほら、始めようか。みんな待ってるよ」
「はい」
「はい、あなたは天国
…あなたは、地獄だね」
『なんであたしが地獄なのよ!』
「じゃあ、君は自分が天国に行けるような人間だったと胸張って言えるの?」
『あ、当たり前じゃない!』
「本当にそう思うの?」
『…っ』
「自分でも分かってるんでしょ?
ねえ…嘘をつくとどうなるか知ってる?」
『え、閻魔様に…舌を抜かれる…』
「その通り」
『…まさか』
「そのまさか」
「この子を連れて行って」
『い、いやあああああっ!!!』
「大王っ!」
「何?」
「何も、あそこまですること…」
「鬼男君」
「どうして下界であんな言葉が広まったのか分かる?」
「いえ…」
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