prologue

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私、水無月瑠依(ミナヅキ ルイ)は半年前、この学校に転入してきた。 転入してくる以前の記憶がない。 気がつくと私は転入生として紹介されていて、ここにいた。 イヤな天気…。 今日の空は重く、黒い雲で覆いつくされている。 雷雨…かな。 「─き…水無月!!」 教師に呼ばれたらしい。 「はい」 「よそ見してるなら答えろ!」 よそ見してるの私だけじゃないじゃない。 「…-2±√15」 「…よし」 ──ヒソ 「水無月さんってさ、いっつも授業聞いてないのに、パッと答えて嫌味だよね~」 コソコソと陰口をたてるクラスメート。 言いたいなら勝手に言えばいい。 面と向かって言う勇気のない人たちに何を言われても構わないわ。 ──キーンコーンカーンコーン… やっと終わった。 終礼ないみたいだし、早く帰ろう。 雨が降る前に…。 そんなことを考えながら外を見ると、窓ガラス越しに“皇 耀(スメラギ アキラ)”と目が合った。
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