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…“耀”?
聞き覚えがある名前だけど…。
顔を上げると目が合った。
…間違いない。
この人は髪の色も瞳の色も違っているが、“皇 耀”である。
どうして?
私も彼も…容姿が変わっている。
やっぱり夢だから??
わからない…。
皇くんが私の方へと足を進めてきた。
─フワッ…
「良かった…」
その小さな呟きとともに私は彼の腕の中に包み込まれた。
嫌じゃなかった…むしろ…暖かくて心地良い…
そのとき、温かいものが私の頬をつたった。
涙が自然と溢れて、止まらない…。
私が少し落ち着いてからベッドに腰掛け、話す。
「俺のこと、わかる?」
「…皇くんでしょう??」
「…。」
彼の瞳が寂しく、悲しげな色に変わった気がした。
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