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「華音、今日は、クリスマスですよね。」
愛するものが過ごす夜。
「実は、華音に渡したいものがあるんです。」
「え…。」
エクソシストとして任務におわれていたアレン。
今日も、なんとか時間を作ってくれた。
なのに。
「忙し、かった…のに?」
わざわざ、自分のために。
「当たり前です。華音は僕の大切な人ですから。」
思わず涙を流す華音の頭をそっとなでて、彼女の左手をとる。
どうするのかと思っていると、手首にシルバーの輪がかかった。
そこに通されているのは、指輪。
「これ…。」
呆然と見つめた。
「今はまだ戦争中だから、きちんとした申し込みはできませんけど、いつか立場が関係なくなったら、そのときは」
この指輪を薬指にはめて
誓おう。
「正式に、プロポーズします。」
溢れだした涙。
彼がぬぐってくれるその指があたたかくて
手放すことはできないのだと、感じた…――。
【許されない恋】
たとえ愛していても
結ばれない二人。
だけど、この先にはきっと
明るい未来が、待っていると信じて…――。
(約束、覚えてる?)
(勿論ですよ。…僕と結婚してください。)
fin
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