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陽も落ちた時刻。
アレンは教団の大広間にてセナを待っていた。
あの会話ののちに着替えて合流しようということになり、今に至る。
もうすでにちらほらと正装をした男女が広間にて楽しげにパーティーを満喫しはじめ、そのなかには可愛らしいツインテールの少女とその兄の姿もあった。
二人は母国特有の服に身を包んでいる。
ふと、彼女はどのような格好で来るのだろうかと気にかかった。
自分は普通にタキシードであるが、彼女の前にたつ以上おかしくはないかと何度も確認をしてしまう。
「何してるの?。」
その突如かけられた声に、びくっと体が跳ねる。
声の先には、勿論セナの姿が。
しかし、彼女はいつもとは違った。
エクソシストの証である黒い団服をぬぎさり、女性らしいフリルの真っ白なドレスからすらりとした四肢をのばしている。
新緑の髪を高い位置でまとめ、普段晒されないうなじが露になることで彼女の女らしさが引き立っていた。
先ほどまでかけられていた眼鏡はなく、かわりにうっすらと化粧が施されている。
「セナ…?」
今アレンの目の前にいるのは、いつも見る読書家の少女ではなく、美しく姿をかえた女性だ。
あまりの変貌ぶりに、思わず声がもれていた。
その青年の様子に、セナはくすりと笑みをうかべる。
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