【アレン】sena+様

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か弱い女の子だと頭が理解した瞬間、アレンはぐっとセナをだきよせていた。 パリン…とセナの持っていたグラスが落ちて割れ、二人に視線があつまる。 「あ、れん…?」 「セナは大丈夫ですよ!!」 自分たちに向けられる幾多の目のなか、突如力強く発せられた声に、目を見開いた。 「セナは、僕が守ります。どんなことがあっても、僕が死なせません。だから、…。」 今にも消えてしまいそうな貴女に、真実を。 「僕の側を、離れないで下さい。」 それは、貴女を失いたくないから。 セナは唐突な言葉に絶句し、まわされた腕をふりほどくことさえ忘れている。 己の腕のなかで、無防備な大切な人。 アレンは衝動をおさえきれず、そのまま彼女に触れるだけの口づけをした。 唇を離すと困ったように赤い顔をした少女がうつる。 「すいません…でも、僕はもう抑えられない。君のことが好きで、仕方ないんです。」 セナがそっとうつむき、視線をさ迷わせる。 「…私、…私も、アレンの側に……いたい。」 それが彼女の、精一杯の返事だった。 そしてゆっくりとセナが顔をあげたとき、 そこにあったのは柔らかな 暖かくて優しい青年の、笑顔…――。 【君だけに捧げる】 愛しい貴女に捧げるのは 言葉 そして、変わらぬ気持ち。 (こらアレン!!ぬけがけはずるいさ!!) (げ、ラビ!!) (俺だってセナんこと狙ってたのに!!) (……もう僕のですから) fin
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