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1月1日。
白髪テンパの男性と焦げ茶の髪の少女は珍しく外に出ていた。
なぜかと言われればそれは勿論…
「初詣ー♪」
この前純が言っていた初詣に来たのである。
「元気いーねお前。」
「そりゃね♪」
かいだるそうな銀時をよそに元気な純。
彼女は今日だけは、と華やかな着物に身を纏い、俗にいうおめかしをしていた。
純の普段とは違う女らしい姿に、さりげない仕草すらも愛しく感じてしまう。
「初詣くれぇではしゃぎやがってよぉ。子供かよまったく。」
「いーじゃん!!銀ちゃんと初詣行きたかったの!!」
予想外の純の言葉に銀時が一瞬固まる。
そんな姿に、純は首を傾げて近寄った。
「どしたの?。」
「っ…なんでもねぇよ!ほら、行くぞ。」
照れたなどとは言えず、荒々しく純の手をつかみ先を急ぐように歩く。
純は疑問を感じながらも、繋がれた手を見つめ納得したように人知れず笑顔になった。
自分の手をつつみこむ彼の大きな手。
口こそ悪いが、いつも優しいことを自分は知っている。
その優しさが、一番に自分に
向けられていることも。
人混みを縫うように二人であるき、それがひどく心地よかった。
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