【ティキ】★きっど☆★様

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突如灯った蝋燭の灯りに驚き、うつむき加減だった顔をあげる。 辺りを見回すが、部屋には何ら変化は見られなかった。 不思議に思っていた矢先。 「誰を待ってんの?純。」 背後から声がかかり、同時に強く抱きしめられた。 かぎなれた煙草の香りが鼻腔を擽り、自然と口ずさむ。 「ティ、キ…。」 言ったと自分が理解したからか、再び涙がこぼれおちる。 久しぶりの彼の声。 彼が呼ぶ自分の名前。 愛しさが込み上げていた。 「何泣いてんだよ、俺が来ないとでも思ってた?」 彼の言葉にこくりと頷くと、やれやれとあきれぎみの様子が後ろからでも伝わってくる。 彼は約束がなかったにも関わらず来てくれた。 少しでも来てくれないと思ってしまった自分に嫌気がさす。 「ごめん、なさい…。私…っ!?。」 いいかけた言葉は飲み込まざるを得なかった。 彼がそっと自分から離れて前に立ち、あまりにも優しげな風貌を、向けていたからだ。 いたたまれなくなり視線をつい逸らしてしまうと、彼はそれを見越していたのかくすっと声をもらす。 「こっち向けよ。せっかくの聖夜だ、二人で過ごすもんだろ?。」 無造作ながらに手をひかれ、準備した料理がならぶテーブルにつく。 冷めてしまった品々に、さすがにティキは申し訳なさそうにしていた。
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