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「こ、れ…。」
左手の薬指に通されたのは輝くダイヤの指輪。
ティキは困惑する純の手の甲に己の唇をよせ、軽くくちづけた。
次いで顔をあげ、たちあがる。
「俺は純を愛してる。大切にするって誓う。だから…、結婚しよう。」
突然のプロポーズ。
だけど純はその言葉にもはや喜びと嬉しさしか感じられず、座ったまま立ち上がっている彼の腰に腕をまわした。
「私で良いなら、お願いします。」
優しさも
悲しみも
すべてをくれる貴方と
私はいきたいから。
純の返答にティキは満足げに笑うと、抱きついた腕を離させ彼女を立ち上がらせて今度はこちらから抱き締めた。
今のこの気持ちを言葉で表すことなど出来はしないのなら、せめて少しでも相手に伝わるようにと
思いをこめて…――。
抱き合った二人を、暖かな月明かりだけが照らす。
聖夜が運ぶのは
愛しい人との永久の約束。
【聖夜にかわす】
愛しい人とすごす夜。
美しい指輪とともに届けられた言葉は
永久に
生涯をともにする誓い…――。
(俺からのクリスマスプレゼントどう?)
(…一生忘れない、っ)
(嬉しいね。)
fin
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