4人が本棚に入れています
本棚に追加
黒の教団本部。
対AKUMA機関であるここには、多くの人と、それにみあった設備があった。
そのなかの一つである談話室。
エクソシスト、ファインダー、科学班、皆が問わず集まる場所だ。
そこに、一人のエクソシストがいる。
緑がかったストレートのミディアムヘアに、カーキ色のぱっちりとした瞳、パーカーのようなフードつきの団服からのぞく手首は白く、陽をしらないようにすら思える。
彼女はもはや特等席となった窓際の壁にもたれかかり、図書室からもってきたのであろう書物と数時間前からにらめっこを続けていた。
時間があればずっとその場で読書にいそしむ彼女の姿は今となっては特に珍しくもなく、誰もがその集中を途切れさせるような真似はしない。
それに何より、彼女の集中を邪魔してまで話かけようと思うほど、彼女に親しい者もいなかった。
一部、例外を除いて。
「セナ、また読書ですか?。」
ふと、名を呼ばれ、書物から目をあげる。
そこにあったのは、やはり白髪の青年だった。
「アレン。…おかえりなさい。」
かけていた眼鏡をはずしながら告げると、彼は一瞬きょとんとした風情をみせ、ついであわてて返答を返してくる。
「あ、た、ただいま。」
「どうか、した?。」
当たり前のように疑問を口にすれば、アレンは少し口ごもり。
「いや、眼鏡はずしてるの初めて見ましたから…。」
と控えめに答えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!