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「変なの。眼鏡はずしてるくらいで。」
眼鏡をケースにしまい、ポケットにいれる。
書物は窓際に立て掛けた。
「そうですよねー。…でも、」
アレンの歯切れ悪い言葉。
それを促すように首をかたむける。
「僕、セナは眼鏡はずしてるほうが良いと思いますよ。」
にっこりと、いつもよりも柔らかい笑顔なのにどこか赤らんだ顔で言われて、セナはぱちぱちと瞬きをしたのちに、一気に体が熱を持ったのを感じた。
それを見たからか、照れたことを理解してアレンが少し慌てる。
「わ、あの、特に意味はないんですよ!?たださっき初めて眼鏡はずしてるの見て、いつもより可愛いなって思っただけで…。って僕は何を…っ。」
彼らしくないあわてぶりに、ふっと笑みがこぼれる。
どれだけ紳士でも、やはり彼も15歳なのだ。
照れたり、慌てたり、そういった人間らしさを垣間見ると、それを実感する。
「ありがとう。そんなこと言ってもらえたのは初めて。お礼に…良かったら今夜室長主催のX'masパーティー一緒に行かない?」
明日はクリスマス。
今日の夜から明日にかけて、室長コムイが提案したクリスマスパーティーが教団本部にて開かれる予定なのだ。
基本的にパーティーはペア推奨だと、主催者は言っていたらしい。
アレンは一瞬びっくりしたようだったが、やがてそれは可愛らしく笑み崩れた顔へと変わっていった…――。
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