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後の事は義之に任せて、俺はケータイをポケットにしまい、みんなに向き直った。
「ゴメン、待たせたな。教室に戻るか!」
俺がそう言うと、ななかが一歩前に出てきて、
「駿人君っ!! 一緒に戻ろっか♪」
ななかが俺の手を握りながら、そんな事を言ってきた。
俺はその事に、心臓が飛び跳ねそうな程高鳴り、顔が熱くなった。
「おっ、おう!」
俺がぎこちなく返事をするのを見ていた、渉と小恋がお互いの顔を見合い、微笑んだ。(渉はニヤニヤした、って方が近い)
そんな2人の熱い視線(8割は渉)を受けながらも、俺はななかと一緒に教室に戻った。
その道中、「嬉しいけど……さすがに恥ずかしいので手は離そうかなー」と、思っていたら……、
「あっ! ごっ……ゴメン…」
と、驚いた顔をしてななかの方から手を離した。
しかも何故かスゴク嬉しそうな顔をしていた。
その代わり───
「ぐっ! あぁ~、またアイツかよぉ!」
「白河さんが……俺の白河さんがあぁぁぁっっ!!」
「麻野 駿人、覚えておけ……」
……周りの視線(特に男子)が、すっげぇ怖かったけどな……。
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