巻き起こる2つの疑心

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オマケに一瞬だけ顔を赤くしていた気もしたんだが、 スグにいつも通りの感じに戻ったので、きっとまた俺が頑固に苗字呼びを止めないと踏んでいて驚いたんだろう。 あの時に苗字呼びを止めなかったのは、「まだそこまで仲が良いわけじゃないだろ」って思っていたのが理由だったわけで、 今はあん時と比べると大分、仲は良くなったから、もう下の名前呼びを強要してきても抵抗はしないさ。 「うんうん、じゃあこれからはキチッと、それで呼ぶようにね! 麻野君」 「……お前は苗字呼びなのな」 笑顔の星歌に向けて俺は、そんなツッコミを返してやったが、星歌は相変わらずヘラヘラとしていた。 ──── ─── ── 「気を付け、礼。はい、さよーなら」 「「「さよならー」」」 昼休みが終わってから数時間。 帰りのHRも終了し、帰宅時間となった。 俺は直ぐ様由夢のクラスへと急ごうとバッグを持ち、 「帰りも一緒に行くか? ななか」 「もっちろん♪」 ななかにも声をかけた。 ななかが、昨日とは打って変わって俺と一緒にいるようにしてるのは、きっと構って欲しいからだろう。 別に俺も迷惑じゃないから、今度は俺の方から提案してみたのだ。 俺の言葉を聞いたななかは案の定、笑顔でトコトコと俺の元へと歩み寄ってきた。
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