残像

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乙女らは 愛を知るのか 乙女らは 死を見ぬのか そんなことは ただの幻想 鼓膜に刺さる 偽の記憶 胸を焼く 現実なのか 見ぬ人を恋い 亡き夢を散らす 言葉は振るわない 声帯を置き忘れ 想いは割られる 炭素で文字を描き 指を光らせる 彼の方へ届けようと 鳥が飛ぶ 太陽は沈み 月は薄らぎ 星は落ちた 空には何が残っていようか それは大地なのか それとも、人か。
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