僕は…

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バタン 僕は車から降りると背伸びをして大きく息を吸う。 「ここが今日から僕の住むところ…」 小さく呟く僕の背中を妹が後ろから強く叩いた。 「ちょっとお兄ちゃん!!後ろつっかえてるのよ!!早くどいてよ!!」 妹の成美は無口の僕と違って、よく喋る… 母親似なんだよ多分ね。 「ほら千尋鍵開けて先に家入っててよ」 母さんが家の鍵を僕にほおり投げた。 僕は新しい家に入り、早速バスケットボールを手にして家を飛び出した。 玄関で母さんとすれ違う。 「母さん。散歩」 「ちょっと千尋!!鍵!!それと早く帰ってくるのよ!!」 「うん」 僕は家の周りだけを散歩することにした。 理由は簡単…この辺の道を全く知らないからだ。  
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