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風、僕の足元の草が靡く、風に揺られてゆらりゆらりと……
「雲は刈られる、何故? 何故刈られるんだ」
「あっ! 昨日の君だよね」
無神経な声が僕の問いを掻き乱す、嗚呼、僕はどうやら彼女が嫌いらしい。
「ちょっ……待ってってば!」
「……」
僕は声を掛けられても無視して歩き続けた、歩いて歩いて……歩き続けて着いた場所は僕のお気に入りの場所、青い空間に一番近い場所だ。
「飛び降りたら気持ちいんだろうな、まぁこの雲は永遠刈られるんだろうけどさ」
「……そうかな?」
「っ?!」
耳障りな声が真後ろから聞こえた、僕は振り返って追いかけて来た相手を見る――真っ赤な彼女が笑っていた――
灰色に染められていた視界の一つが、一カ所が真っ赤に染まっている。
耳障りな声の持ち主の彼女だ。
「……」
「気持ちいね、ここ」
「……だから」
「ん? なに?」
「だから何なんだよ、何でここにいる、何でついてきた、僕に関わるな僕に近寄るな僕を干渉するな!! 出ていけよ、僕のテリトリーに足を踏み入れるな、汚い、僕を……僕は一人で十分だ!!」
吐き出した言葉の一つずつに呪いのような思いを込めて相手にぶつけた、僕は言うだけ言ってからこの場から逃げ出すように帰路へつくことにした。
彼女ノセイデ初メテ味ワウ孤独感
僕ハ平気ダッタノニ
一輪ノ赤イ薔薇ガ
僕ヲオカシクサセルンダ
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