その後

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その後

それから1ヶ月が経った。 平和だった。 と言うか不良達は暇を持て余していた。 最強決定戦中は毎日学校のどこかでケンカがあり、学校内はいつもピリピリした雰囲気が流れていた。 それが終わった今、不良達の高校生活においての一大イベントが終わり、やることがなくなり、抜け殻のようになっていた。 「ヒマだ。」 不良達は屋上に集まり何をするわけでもなく、ただ時間を過ごしていた。 「やっぱ最後の右ストレートだな。あれがマジで効いた。」 「元」番長格の西窯は自信の最強決定戦のことを振り返り言った。 1ヶ月経ってもまだ最強決定戦の話題は、不良トークの鉄板ネタだった。 「いや、やめて下さいよ。俺も死ぬかと思いましたよ。あん時は。マジで。」 「現」番長格の諸上が力を込めて言った。 最強決定戦であれだけいがみ合っていた不良達はその後、友達、いやお互いを戦友だとも思っており、校内でのケンカは激減。 また最強決定戦で勝った諸上の噂は尾ビレをつけて広まり、他校の誰しもが秦満高校の制服を見たら避けるようになっていた。 「いやー、お二人のケンカは凄かったってことで。で、今日何しましょ?」 1年の砂野が話しを遮った。 砂野も最強決定戦参加者である。1回目のケンカで負けた。 「そーだなー。外出んのもめんどくせーし。」 諸上はタバコを吸いながら呟いた。全ての決定権は諸上にあるようだ。 「でも腹減ったよ。あー肉まん食いたい。」 西窯が言った。やはり「元」ではあるが番長格であった名残だろうか、やんわりとではあるが提案する癖がある。 「そっすねー。肉まん食いてーなー。」 諸上が答えた。 「じゃ行ってきてもらうか。」 西窯は笑顔で言った。 そのタイミングで砂野が携帯を取り出し言った。 「じゃ「パシリ」でいいっすね?」
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