16人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
一面の白い雪。
初めて来た街は、白い世界のようだった。
私の名前は、緋南透(あかな・ゆき)。
自分の名前と同じ読みの‘雪’を見るのは初めてだった。
何故初めてなのか。
それは私が住んでいる街は一年中暖かくて、雪が降ることはないから。
母が雪の住む街から父の元に嫁いだ日に雪の結晶を見たことから、
子供の名前に付けようと思ったと話してくれた。
だから、この名前が大好きで。
この街で初めて出会った人が、
如月悠久(きさら・ゆうき)君だったのは、運命なのかな?
真っ白い空間に、彼は佇んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!