~生誕~

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    皇后様が産気づいてからもう1日と半日が過ぎようとしていた…     相当の難産…     皇后様も体力の限界に差し掛かっていた…     「……まだか、  まだ産まれないのか」     王様はいてもたってもいられない様子で王室を徘徊していた。     「王様、落ち着いて下さいな    一国を統べる者がこのようでどうするのですか!」     王様にそう言ったのは第一皇女セラヴィの母 側室であるガルーチェであった     「母子共に危険な状態である時に落ち着いてなどいられるものか!  一国の王と言えど我が子と妻の身を案じるのは仕方ないであろう…」     「……失言、お許しを」     正直ガルーチェは産まれてくる赤子を快くは思っていない   もし皇子であるならば次期王となるのはもちろん皇子であるのは言うまでもない…   今のところは次期王位継承は第一皇女セラヴィ     だが産まれてくる赤子が皇女であっても気は休まらない     何故ならガルーチェは側室   正室の子が次期王位継承者になるとも限らない     王様より気が気でないのはガルーチェの他ならない…     時間は刻々と過ぎ夕日が傾きかけた頃の事     使用人の女が王室へ駆け込んだ     「王様!お産まれになりました」     その報告を聞くと王様は一目散に寝室に駆け込んだ     逸る気持ちを抑えられずに…       .
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