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なんとか目を開けようとしたけれど、ひどく疲れていて。
閉じていく瞳を鏡に向ければ、そこに映るのはうすよごれた毛のかたまりなんて、みずぼらしくなってしまったんだろう。
ああそうか、僕がこんなになってしまったからなんだ。
だからしんちゃんは、僕に見向きもしないんだ。
おいしそうじゃないから。
あまそうじゃないから。
僕はもう、わたあめになれない。
いちど地面に落ちたおかしは、もうたべれないから。
どんなにぽんぽんはたいても、やっぱりおいしそうにはみえないよね。
だけど、君はいちど拾ってくれた。
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