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教室の窓側の列の真ん中ぐらいの席。そこに座って授業を上の空で聞きながら、俺こと藤堂 裕樹(とうどう ひろき)は窓の外を見ていた。
窓の外では青い空を鳥が飛んでいた。鳥は羽を羽ばたかせ、空を自由そうに飛び回っている。
鳥は自由そうでいいよなぁ。授業も受けなくていいし。
なんてな事を考えながら自前の至って普通な黒髪の前髪部分を軽く手でいじる。
しばらくすると授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
……やっと終わったか。
帰りのHRが終わり、放課後、仲のいい友達が一緒に帰ろうと言ってきたがなんとなく今日は気分が乗らないので学校に残り、うろつく事にした。
しばらくぼーっとしながら歩いているといつの間にか俺は校舎裏についていた。ここは学校の中でもかなり静かな場所で俺も昼休みや放課後にたまに立ち寄る。
なかなか好条件な場所なのに、ここで人と会った事はない。それはここが日陰っていうか地味な場所だからなのかもしれない。
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