青い瞳の転校生

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1978年。 小学三年生の僕は世界が高度成長期の中、とりあえず目の前から飛んでくるチョークの破片を回避することに成功した。 『松井くん!さっきから違う事してるみたいね~!』 今年で教師歴三年になる勇ましき女教師である担任の立花先生のチョークは今やコントロールも良くなり、最近は八割僕ら中列を当てるようになっていた。 『す、すいません』 松井というのは僕の名字。 名前は… 『俊也~!またやらしい事考えてたんだろ~! ス‥ケ‥ベさあ~ん! さあ皆さんご一緒にぃ~♪』 『スケベさああ~ん♪』 うちのクラスのこの発声による一体感は今後合唱コンクールで、地区大会まで進む事になるがそれはいずれまたの機会に。 学校は好き嫌いではなくもはや義務だと言うのは分かっていた。 算数や宿題は嫌いだったが、給食と休み時間の野球は人の倍頑張る事で調整していた。 家に帰れば母親が飯を作り、父親が都内の会社から満員電車で揺られて帰宅する。 弟とおもちゃの取り合いのケンカし、翌日は何事もないようにまた学校へ向かう。 そんな僕の切迫感ない日常を翌日ぶち壊す事件が起きた。
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