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その年の夏も終わり10月に入り運動会の実行委員としての僕がいよいよ活躍する頃の朝だった。
夏の恋にとうとう破れた、と教室で噂の立花先生が頭が金髪の宇宙人のような子と突然室内に入場してきた。
『うわあああ~っ!?』
山田、佐藤の日本でポピュラーな名前コンビが奇声を上げた。
『せ、先生~っ!
そいつ誰っ!?
転校生っ!?
ってかガイジンじゃんっ!』
教室内は一気にどよめいた。
『はいはいっ!静かに~っ!
これから新しいお友達を紹介します!』
立花先生に押されて金髪宇宙人は長い髪の毛の隙間から小さな声を出した。
『…高山、美香です。
よ、よろし…く』
宇宙人は高山美香と名乗ると山田が席から立ち上がった。
『ガイジンが喋ったー!!
ガ、イ、ジ、ン!!ガ、イ、ジ、ン!!』
男子数名が騒ぎ出すと、女子のリーダー格の武田が怒鳴った!
『山田!うっさいから死ねっ!
高山さん、宜しくね!』
武田は席を立つと前に歩み寄った。
すると女子達は次々席を立ち、宇宙のガイジン高山美香へ握手を求めた。
山田はその後佐藤らと男子数名とガイジンコールをするも、虚しく既に室内の空気が違いフェードアウト。
俺は宇宙のガイジン高山美香の第一印象はまさにそのまま。
そして白い肌と緊張による赤い頬。
何よりビー玉のような青い瞳にこの世界の広さを改めて感じた。
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