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その日から数日は高山美香を擁護するため女子が囲んでいた。
クラスの男子と女子がこれだけ分裂したのはかつてない。
僕もそうだった。
休み時間、いつもサイコロ消しゴムで授業中作った僕のスゴロクをしていた住田さん、高島が居なくなり僕と親友の藤井勝は他の仲間と合併して花札やトランプをするようになっていた。
しかしアレだ。
僕はその頃、女リーダー武田に密かに憧れていたのだ。
彼女の物怖じしない真っ直ぐな態度と言葉は、正直今で言う草食系だった僕には眩しい人だった。
そんな僕が初めて女子に可愛い、という感情を持ったのは他でもなくガイジン高山美香だった。
冷静によく見れば、彼女は紛れもなくバービー人形のように美しかったのだ。
父親がドイツ人らしく、こちらで日本人の母親と結婚して生活している、との事などは後で知るのだが、高山美香は間違いなく誰から見ても可愛いかった。
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