宅配ちゃん

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「なんか、ヤバいなぁっていう感じは最初っからしてたんですよね」 綾乃さんは独身時代、海外留学をするための資金を稼ぐために宅配便の仕事をしていた。 「あれって、一個五十円~百五十円ぐらいで受けるんですけれど、率が良いのは配達先で送りの荷物ももらうことなんですよね。そうすると配達料と荷受料のダブルが入るわけですよ」 当然、そういったこどが可能なのは個人の家じゃなく、会社や事務所になるわけだが、なかにはいろいろな事務所もある。 「私の区域にはヤーの人の組事務所もあって…」 そこでは日々、いろいろなものが宅配に出される。 「愛想は良いですよ。特に私なんかは女だから優しくしてくれて。前の担当は男の人だったんですけれど、そういう人は大変だったみたい…」
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